決算変更届とは

決算変更届とは

 

建設業許可を取得した者には、いろいろな義務が課せられます。その中のひとつが決算変更届の提出義務です。
この書類は毎年提出することが義務付けられています。提出しないと許可の更新申請書は受理されません。
また、提出期限も決算日から4か月以内と定められており、許可行政庁によっては、遅れた理由を添え、始末書の提出を求められる場合もあります。
(罰則はありません)
ここでは、決算変更届について解説していきます。
決算変更届とは、その事業年度にどのような工事を請負ったのか、また、財務状況や許可要件が欠けたことがなかったかなどを書面化し、許可行政庁に提出するもので、次回許可更新を受ける際に大変重要なものです。

 

 

1,決算変更届の内訳

提出書類
決算変更届 表紙
変更届書
工事経歴書

③工事経歴書⑧財務諸表の売上高と工事請負金額は、
税込・税抜どちらかで統一経審を受審する場合、
税抜表記で提出するため税抜表記をお勧めします。

直前3年の各事業年度に
おける工事施工金額

使用人数 変更があった場合に提出

建設業法施行令第3条に
おける使用人の一覧表

本店とは別に営業所があり、
営業所長が変わった場合に
提出

定款の写し 変更があった場合に提出
財務諸表

税理士が作成した決算書を建設業簿記に組み替える

 

【作成書類】
・貸借対照表
 (様式第15号)
・損益計算書
 (様式第16号)
・株主資本等変動計算書
 (様式第17号)
・注記表
 (様式第17号の2)
・事業報告書
 (任意形式)

完成工事原価報告書、
株主資本等変動計算書、
注記表、事業報告書

法人のみ提出
法人事業税納税証明書 法人のみ提出
個人事業税の納税証明書

個人に業主が提出
(8月までに提出する場合は所得税の確定申告書のうち
税務署長の受付印のある第一表の写し)

健康保険等の加入状況 加入の有無に変更があれば提出
委任状 行政書士が提出する場合

2ー➀,決算変更届とは何を指すのか?

決算変更届
➀工事経歴書

➀~③を自ら作成する必要があります。

 

事業年度単位で許可を受けた業種の工事量
・全体工事売上高を報告する書類

許可を受けた業種ごとに作成する。
       ▼
(例)
3業種の場合は3種類の工事経歴書

②直前3年間の各事業年度における
 工事施工金額

③財務諸表
④納税証明

「事業税の納税証明書」か「法人税の納税証明書又は所得税の納税証明書」です。

 

都道府県知事許可か国土交通省大臣許可、法人か個人事業主かで
必要な証明書が異なってくるため、上記のような記載をしており
ます。個別のケースについて詳しく見ていきましょう。

 

 

 

 

 

2-②工事経歴書の記載項目

➀注文者
②元請か下請けか
③工事名
④工事現場の住所
⑤配置技術者
⑥請負金額
⑦工期
⑧元請の売上高
⑨全体の売上高
⑩工事件数

2ー③決算変更届の書類作成手順

  • STEP
    ➀工事経歴書を許可業種ごとに作成する
  • STEP
    ②工事経歴書を請負金額の高い順に並べる(高→低の順)
  • STEP
    ③経審(経営事項審査)を受けない?受ける?【下表参照】

 

受けない場合

原則上位10件の工事の請求書を工事経歴書に記載する(自治体により細かな差異あり)

受ける場合

まずは、
1,元請工事だけに絞り、請負金額が大きい順番で元請工事の売上高全体の7割に達する
まで工事を記載する。

 

2,次に全体の工事の売上高の(元請と下請を合算した金額)の7割超になるまで記載する。
元請・下請関係なく金額が大きい順番で並べれば問題ありません。

 

上位10件の工事の請求書では足りないと言うことになります。

 

 

 

2-④直前3年間の各事業年度における工事施工金額

元請としての工事施工金額を➀公共②民間に分け記載
下請としての工事施工金額を記載
元請、下請の工事施工金額を記載

 

・これらを直前3期分記載してください。

 

②決算変更届の作成に必要なもの

 

 

③財務諸表

 

 

④納税証明書
「事業税の納税証明書」か「法人税の納税証明書又は所得税の納税証明書」

             ▼

 

④納税証明書

許可種別 該当する証明書 取得場所
法人 都道府県知事許可 法人事業税の納税証明書
該当事業年度における法人事業税の課税額、納付済額、未納額を証明する書類 各都道府県の県税事務所(都税事務所)で取得
国土交通省大臣許可

法人税の納税証明書
(その1)

当該年度における法人税においての申告額、納付済額、未納税額等を証明する書類 事業所を管轄する税務署で取得
個人 都道府県知事許可 個人事業税の納税証明書

該当事業年度における個人事業税の課税額、納付済額、未納額を証明する書類

 

「決算変更届」に添付する
証明書

各都道府県の県税事務所(都税事務所)で取得
新設法人

新設法人で決算が未到来の場合、納税実績がないため納税証明書は取得できません。
この状態で建設業許可を申請する場合、都道府県等に提出している「法人設立届」の
写しを代わりに添付することになります。